メッセージ
【はじめに】
雪氷環境研究室では、雪氷現象を調査・研究することを通じて、自然環境に対する理解を深めます。工業大学である本学は、カリキュラム上、自然科学系の講義が充実しているとは言えませんので、雪氷系の研究室に入ってもやっていけるのか?と心配になるかもしれませんが、もし何らかの興味関心があれば、とにかく一度研究室訪問に来てください。こちらはいつでもウェルカムです。知識の不足は、配属後にフォローしますので、どうとでもなります。ヒトをヒトたらしめている要素の一つは(知的)好奇心の高さでしょうから、この“らしさ“を大切にしてほしいと思います。
【野外活動】
雪氷環境研究室の特徴の一つは、野外で活動する機会に恵まれていることです。その主たる目的は、研究に用いる試料やデータの収集です。北見を含む道東は、ユニークな雪氷環境に囲まれており、雪氷学を学ぶにはうってつけの土地柄です。研究テーマの紹介にあるように、近場では特に知床に興味を持って活動しています。活動の場は道内・国内にとどまらず、世界の雪氷圏に広がっています。大学院まで進学すれば、南極・北極域をはじめとした海外のフィールド調査に参加するチャンスも十分あります。肌で自然を感じながら、有意義な時間を過ごしてもらえればと思います。ただし野外活動には好き嫌いや向き不向きがあるでしょうから、研究室中心で活動するというのももちろんありです。かく言う私自身、研究手法としては、ラボでの実験や分析に軸足を置いています。
【就職】
将来のある皆さんにとって、就職は大きな関心事でしょう。雪氷系の研究室に入って就職は大丈夫なのか?と聞かれれば、大丈夫(不利にはならない)と答えます。どのような職種を希望するかはもちろん皆さんの自由ですし、他の研究室と同様に大学の推薦枠を使うこともできます。就職活動時に面接官から卒業研究のことを聞かれるかもしれませんが、面接官が知りたいのは、皆さんの研究テーマが仕事内容にマッチしているかどうかではなく、いかに興味を持って卒業研究に取り組んでいるか(取り込む姿勢)だと思います。研究活動を通じて得られるプレゼンテーションや作文のスキルは、将来どのような仕事に就いても役立ちます。特に対外的に発表することは貴重な経験になると思いますので、皆さんが学会等で発表する機会をできるだけ設けます。
新設された雪氷環境研究室は、現在真っ白な状態です。皆さんの手で、文化や伝統を築き上げてください。